デンタルインプラントの失敗とはどんなものがあるのか、ご紹介します。



【デンタルインプラントの失敗】



image



(1)生物学的な原因による失敗



 近年の純チタン製インプラントの成功率が非常に高い
とは言え,その原因が分からない失敗があることも事実です。
もちろん,失敗の原因と考えられる要素として,



・全身疾患
・喫煙
・骨の質,骨移植
・放射線
・パラファンクション
・術者の経験
・外科的侵襲の程度
・細菌
感染


など多くが挙げられています。


しかし、個々の症例の正確な原因が特定できるわけではありません。
ただし,手袋表面
のでんぷんが原因であると思われるインプラントのトラ
ブルに関する報告もあり 、明らかに防げる失敗は避けなければなりません。



 インプラントの失敗は早期の失敗と咬合開始後の失敗
に大きく分類されます。





早期の失敗とはインプラント埋入後,咬合開始
前のオッセオインテグレーションの獲得失敗です。
インプラント失敗の基準は様々であり,今後その基準がまだ、学会で整備されているものではありません。



一般的にはインプラント周囲の
エックス線透過像と臨床的な動揺を以って失敗が明確となりますが、インプラント周囲炎の程度およびその進行具合
と失敗との関連性は明確になっていません。




早期の失敗の原因は骨量,骨質と密接に関連する外科的侵襲の程度が
ある閾値を超えることであると考えられているが,咬合
開始後の失敗原因については明らかになっていません。



また、インプラントの失敗は特定の患者に偏る傾向があるとの報告があるため、遺伝的な要因の可能性が示唆されています。

さらに、インプラントの種類による失敗も研究で報告されています。


Brånemark インプラントと Straumann を比較



した場合,

ブローネンマルクインプラントという種類では早期の失敗が多いのに対し,スティルマンインプラントで
は噛みあわせ開始後の失敗が多いとされています。







(2)技術的な原因による失敗







 インプラントの失敗にはかぶせものの破損,アバットメン
ト連結部コンポーネントの破損,フィクスチャーの破損も含まれます。


5年経過症例でどのようなインプラント
の適用方法でも,フィクスチャーの破損は1%に満たないです。




しかしながら,補綴物の破損やアバットメント連結
部コンポーネントの破損はこれより頻度が高く,とくに
オーバーデンチャーの場合に2%近くになります。









(3)インプラント周囲炎への対処



image






インプラント周囲炎が一度惹起されると,これを食い
止めることは非常に難しいですが,色々な方法が提案されています。



外科的な掻爬単独よりも,同時に露
出したインプラント表面を滑沢化する(implantoplasty)
方が有効であるされています。


さらに、BioOss
とメンブレンの併用が有効です。

他にも超音波スケーラーやレーザーによる清掃など様々ですが、それ
ぞれの方法に効果という面で差がないとされています。





このように失敗といっても、明確に学会で決められているわけではありませんが、様々な原因と、対処方法があります。











にほんブログ村 健康ブログ 歯磨き・歯の健康へ
にほんブログ村